魚の締め方・保存・捌き方
釣った魚をおいしく食べるための、「締める → 冷やして持ち帰る → 保存する → 捌く」の流れを、イラストつきでまとめました。一般的なやり方の目安で、魚の種類・大きさ・季節によって変わります。
※ 掲載のイラストはAIで作成したイメージです。実際の魚の形や、ナイフを入れる位置は魚種によって異なります。
① 締める・血抜き(釣ったらすぐ)
釣れた魚は、暴れさせたままにせず、できるだけ早く「締めて」血を抜くのが基本です。魚が暴れると体力を使い、身の状態が落ちやすいといわれます。
1エラ(えら)の付け根を切る

エラぶたを開け、エラの付け根(下側の太い血管のあたり)にナイフを入れて切ります。切ったら、海水や氷水に頭を下にして浸け、数分〜10分ほど血を出します。
2脳締め(のうじめ)で動きを止める

アジ・鯛・ヒラメなど中型以上の魚では、目の後ろあたり(頭の上側)にナイフの先や締め具を差し込み、動きを止める方法があります。位置は魚種で異なるため、慣れないうちはエラ切り+氷水だけでも十分です。
小型のアジ・イワシ・キスなどは、手間をかけずに氷水に直接入れて締める(氷締め)のが手軽です。
② 冷やして持ち帰る

- クーラーボックスに海水と氷を入れた「氷水」を作り、締めた魚を浸します。夏場は特に、釣れたらすぐ冷やします。
- 魚が氷に直接当たりすぎないよう、濡れタオルや新聞紙を挟むのもよい方法です。
- 大きな魚は、ウロコ・ぬめり・血を軽く流してから入れると、クーラー内が汚れにくくなります。
- 氷は多め(保冷剤だけでなく、氷を使うと冷え方が安定します)。帰宅まで長い日は、途中で氷を足せると安心です。
③ 保存する(冷蔵・冷凍の目安)
家に着いたら、できるだけ早くウロコ・内臓を取って洗い、水気をしっかり拭き取ります。内臓は傷みが早い部分なので、取り除いてから保存します。
冷蔵(数日の目安)

- 水気を拭き、キッチンペーパーで包んでラップ。ペーパーは濡れたら替えます。
- 冷蔵庫の中でも冷たい場所(チルド室など)に。
- 目安は、刺身で食べるなら当日〜翌日。それ以降は加熱調理がおすすめです。
- 一部の白身魚は、締めて1日ほど置くと旨みが出るともいわれますが、状態や好みで差があります。
冷凍(1か月以内の目安)

- 切り身や三枚おろしにして1回分ずつ小分け。
- ラップで包み、冷凍用保存袋に入れて空気を抜きます(酸化と乾燥を防ぐため)。
- 解凍は冷蔵庫でゆっくりが基本。常温や熱湯での解凍は避けます。
- 解凍した魚の再冷凍は、品質が落ちるので避けましょう。
④ 最初にそろえたい道具

- よく切れる包丁(出刃包丁など) … 切れ味が悪いと危険で、身も崩れます。
- フィッシュグリップ・ペンチ … 魚をつかむ、針を外す。毒トゲのある魚にも素手で触らないために。
- キッチンバサミ … ヒレ・エラ・小さな魚の頭切りに便利。
- まな板・濡れタオル・ゴム手袋(滑り止め) … 魚が滑るのを防ぎます。
- 氷・海水用のバケツ … 氷水を作る、血抜き用。
⑤ 捌き方(三枚おろしの基本)
アジ・イサキ・クロダイなど、体が平たい魚の基本の流れです。包丁は自分の体から離す向きに動かし、まな板が滑らないよう下に濡れ布巾を敷きます。
1ウロコを取る

尾から頭に向かって、包丁の背やウロコ取りでこそげ取ります。ウロコが飛ぶので、ポリ袋の中や流し台でやると片付けが楽です。
2頭を落とす

胸ビレの後ろ(エラのすぐ後ろ)に斜めに包丁を入れ、裏側も同じように切って頭を落とします。
3内臓を出して洗う

お腹を肛門のあたりから頭側へ切り開き、内臓を取り出します。背骨に沿った血合いを歯ブラシや指で流水で洗い、水気を拭きます。
4背骨に沿って身を外す

背側から、背骨の上に沿って尾に向けて包丁を滑らせ、片身を外します。包丁をのこぎりのように小さく前後に動かすと切りやすくなります。裏返して反対側も同様に。
5三枚おろしの完成

身2枚と中骨の3つに分かれたら完成。腹骨はすき取り、小骨は骨抜きで除きます。皮をひく・切り身にするなど、料理に合わせて仕上げます。
★小型魚は「手開き」

小アジ・イワシなどは包丁を使わず、頭と内臓を取ったあと、親指を背骨に沿わせて身を開く「手開き」が手軽です。唐揚げ・南蛮漬け・天ぷらに向きます。
⑥ 安全・衛生の注意
- 名前のわからない魚は、触らない・食べない。フグ類、ゴンズイ、アイゴ、ミノカサゴ、オコゼ、アカエイ、ヒョウモンダコなどは毒があり危険です。
- 刺身で食べるときの寄生虫(アニサキス等)は、新鮮でも完全には防げません。一般に、−20℃で24時間以上の冷凍、または60℃で1分以上の加熱が有効といわれます。
- 包丁やナイフでのケガに注意。切れる包丁ほど安全です。ケガをしたら傷口をよく洗ってください。
- 魚を触ったあとは手と道具・まな板をよく洗って、他の食材に菌が移らないようにします。
- 夏場や体調の悪い日、妊娠中・高齢の方・お子さまは、火を通した料理がより安心です。
- 釣った場所のルール(持ち帰り禁止・サイズ制限・禁漁期間)を確認しましょう。
ここに書いたのは一般的な目安で、食べられるか・安全かを保証するものではありません。判断に迷う場合は、食べずに処分してください。
よくある質問
血抜きは必ずしないといけませんか?
必須ではありません。ただ、締めて血を抜き、すぐ冷やすと、生臭さが出にくく身の状態も保ちやすいと一般にいわれます。特に刺身で食べたい魚は、してあげると安心です。
クーラーボックスに氷だけ入れてもいいですか?
魚が氷や保冷剤に直接触れると、身が傷んだり凍ったりすることがあります。海水と氷を混ぜた「氷水」に浸すか、氷の上に濡れタオルや新聞紙を敷いて冷やす方法が一般的です。真水だけは身が水っぽくなりやすいため、海水か塩水が向くといわれます。
刺身で食べても大丈夫ですか?
生で食べる場合は、アニサキスなどの寄生虫や細菌のリスクがあります。一般に、−20℃で24時間以上の冷凍、または60℃で1分以上(70℃以上なら瞬時)の加熱で死滅するとされています。内臓は早めに取り除き、清潔な道具で扱ってください。不安なときは加熱調理が安心です。
触ってはいけない魚はいますか?
フグ類(毒)、ゴンズイ・アイゴ・ミノカサゴ・オコゼ(ヒレの毒トゲ)、アカエイ(尾の毒トゲ)、ヒョウモンダコ(毒)などは危険です。名前がわからない魚は素手で触らず、食べずにリリースしてください。当サイトの「釣れた魚の見分け診断」は目安であり、食べられるかどうかの判断には使えません。
冷凍した魚はどれくらい保存できますか?
家庭用冷凍庫では、一般に1か月以内を目安に食べきるのがおすすめです。空気に触れないよう密閉し、冷蔵庫でゆっくり解凍すると状態を保ちやすいといわれます。